(完)嘘で溢れた恋に涙する

それから、お祖父ちゃんたちが迎えに来て先生とはそこで別れた。



帰る途中、校舎の風景を眺めながら、ここで穏やかに一年を終えることができますようにと心の中で祈っていた。



「制服は近所の田中さんがお孫さんのをくれるって言ってくれてるんだけど、一週間くらい待てるか?」




帰り道でお祖父ちゃんは思い出したように聞いてきた。




小学校って制服がないところが多いらしいけれど、わたしの場合は初めに通っていた学校にも転入先の学校にも制服があった。




前の小学校の場合は、いかにも金持ち用の私立らしく、上から下まで大いにお金を注ぎ込んだ制服だった。




赤チェックのベレー帽に、
真っ白なブラウスに帽子と揃えられた赤チェックの大きなリボンとプリーツスカート
それから、ブランドのマークがついた紺色の靴下に冬はブーツ、他の季節はピカピカとした革靴。




あの学校の親たちは、学校の外をでても子供たちから制服を脱がさなかった。




あの制服を着ていて、街を歩くだけで誰もが羨ましそうに眺めてくるからだ。



それくらい、前住んでいた土地ではあの学校は有名なもので、制服はそれを象徴するものだった。



そして、この学校の制服というのは引っ越してくる時に生徒とすれ違って見たけれど、あり得ないくらいダサかった。




白いスポーツTシャツのようなものに、真っ黒な長いスカートを合わせて、それぞれ適当な靴下にシューズを履いただけのもの。




しかも冬なんて、それに真っ黒なブレザーを羽織るだけらしい。



全身黒でまるで不審者じゃないか。