(完)嘘で溢れた恋に涙する

手の中にある空き缶に積み上げられた手紙の束を見つめながら考えた。



この中の一人を選んでおけば、お母さんは今こんな苦しみを味わっていなかっただろう。




もちろん私は生まれていないだろうけど、それで全く構わない。




私は生まれてくるべきじゃなかったんだ。




あんな優しい天使のようなお母さんから、父の全てを受け継いだような私が生まれてくるべきじゃなかった。




決して裕福じゃなくていい、それなりの家庭で、優しくて寛大でお母さんだけを愛してくれる旦那さんと、無邪気で純粋な子どもたちと幸せに生きていくべきだったんだ。




それでも、お祖母ちゃんに心配をかけないように、何ともないような笑顔を浮かべて、納得したように頷いて見せた。