(完)嘘で溢れた恋に涙する

お母さんとは言っても他人の手紙の内容を見るなんて気が引けたが、どうしても気になって一番上にあった手紙を開けた。




もともと封は開いてあったため、丁寧に封筒から便箋を出した。




それはラブレターだった。




現代から考えると、ラブレターなんてものそのものが古臭く感じてしまうし、




そもそも男子がこんなに真剣に手紙を書くものなのかと驚かされた。




その後も2、3枚を開いてみたけれど、それもラブレターだった。




「優しい」とか「明るい」とかたくさんの褒め言葉に溢れたその手紙たちはまるで宝の山みたいで冷え切った心が少し温かくなった。




それに、やっぱりお母さんは人気者だったんだと誇らしさを感じた。




そして、そんなラブレターを捨てずに律儀に取っておく所にお母さんらしさを感じた。




決して自慢するためなんかじゃないはずだ。




その証拠に空き缶にはずっと締め切っていた跡があるし、手紙は全く汚れていないしきっと一度しか開かれていない。




自分を思ってくれながら一生懸命書いてくれた、そんな宝物みたいな手紙たちを捨てることなんてできなかったんだ。




だからこうやって隠すようにして取っておいたんだろう。