(完)嘘で溢れた恋に涙する

しばらくアルバムの中で笑顔を浮かべるたくさんのお母さんを見ていたけど、どれだけそれを続けても一向に眠くはならない。




これはもう今日は眠れないかもしれないなと考え始めたところで、一番下の棚に隠すように置いてある缶を見つけた。




お菓子が入っていそうな、地味なデザインの缶は長年開けられていないのか錆びついて硬くしまっていた。




興味を持った私は渾身の力を振り絞って無理やりその蓋を回して開けた。




すると、力一杯開けたせいで、その反動で中のものが周りに飛び散ってしまった。




慌てて、それらを無造作に集めて、空き缶の中に入れ直した。




そこから、上にあったものを取ると、それは手紙だった。




真っ白な封筒にお母さんの名前と、知らない男の人の名前があった。




一瞬、お母さんは浮気していたのかもしれないなんて考えが頭に浮かんで、急いで次のそれを取った。




すると、それもまた他の男の人の名前が書かれた便箋だった。




そこで、全部を一旦缶の中から出して、さらっと全てに目を通した。




全部違う人からの手紙だった。