(完)嘘で溢れた恋に涙する

お祖母ちゃんは私をお母さんが育った部屋に案内してくれた。




お母さんが出て行ってからそれほど変わっていなかったんだろう、女の子仕様のベッドや、机が広く部屋を占めていた。




何十年も経つのにそれなりの生活感があって、よく掃除が行き届いていた。




その日からここが私の部屋になった。




たった半年で出て行くことになったのだけど。






越してきて初日の夜、私はなかなか寝付くことができなかった。




仕方なく起き上がって、明かりをつけ、それまでそれほど興味を持っていなかった自分の部屋に意識を向けた。



元、お母さんの部屋はなんとなくお母さんらしさを感じる家具や、置物であふれていた。




お母さんは思っていただろうか。





この部屋でたくさんの時間を過ごし、そして出て行く時。





こんな地獄を見ることになるなんて予想していただろうか。