(完)嘘で溢れた恋に涙する

開けた瞬間だった。



冷たいものを全身に感じた。



一瞬の出来事で頭が追いつかなかったけど、しばらくして水を頭からかけられたのだと理解した。




そばには空になったバケツがコロコロと転がり続けていた。




ゲラゲラと周りから聞こえる下品な笑い声が怖かった。




「あなたよく学校来れたわね」




「うわあ、すごく痩せてるじゃない、大丈夫ぅ?」




「みんなあまり近づかない方がいいわよ、殺されちゃうわ」




初めは信じられなかった。



だけど、春の季節に体にかけられた水は冷えて、身震いをするたびにこれは現実なのだと実感させられる。




「どうして…私は何にもしてない」




私のつぶやくような言葉に更に笑い声は大きくなった。




「馬鹿じゃない?生きてることが罪なんでしょう」




「あーもう、さっさと出て行ってくれない?汚いんですけど」




理解ができなかった。




自分の置かれている状況が。




つい最近まで私にべったりとくっついてうざいくらいだったその人たちが、なぜそこまで豹変したのか。




私が何をしたというのか。




そして怒りがふつふつと湧いてきた。




「意味がわからないわ。あなたたち、あんな事件だけで友達をそんなに簡単に裏切れるのね」




今となってはよくもこんなことが言えたもんだと思うけれど、あの時の私は何の迷いもなくこう言った。