佳代が「ちなみに今日は百五十人ぐらい来るからね」と言っていた。

さっきからテーブルを見てると“○席”と書いてあるプレートが極端に小さくて、側まで行かないと見えないから探すのが大変だ。
絶対、わざと小さくしてると思う。

幹事の人は席の配置図を持っていて、S席がどこか分かるようになっているのでそれを見せてくれてもいいのに。

幹事たち曰く、番号を探しながらいろんな級友たちと話せるチャンスだ!と。
どちらかといえば、私は社交的な方ではないから、そんなチャンスはいらないんだけど。

楽しく談笑している人たちを見て、もしかしてこのままボッチだったら……と心配になってきた。
さっきからテーブル席と一緒に人も探してるけど、私が仲良くしていた人が全く見当たらない。

いや、一人は確実に来るって聞いてるから大丈夫!と心の中で自分を励ます。

気をとり直してキョロキョロと自分の番号のプレートを探していたら背後からポンと肩を叩かれた。

「さくら、おひさ~」

その声に振り返ると、さっきまでの心細かった気持ちが一気に吹っ飛んだ。

「あー、茜っ!よかったー。話せる人がいて」

「なにそれ」

クスクス笑うのは坂東茜。
中学から一緒だった、私の親友と呼べる一人。
私と茜、そして今日来れなかった川島奈津美の三人でよく遊んでいた。
だけど、お互いに働き出すと忙しくなり、会う機会が減っていた。