そして、恋の種が花開く。


ホテルの中庭はたくさんの木々に囲まれた日本庭園になっていて、滝があり川も流れている。
その川は、ライトアップされた光に反射して水面がキラキラと輝いている。

今日は七夕ということもあり、天の川みたいで余計にロマンチックに感じる。

石で出来たベンチもあり、綺麗に手入れされている花壇もある。
季節によって様々な花が植えられているみたいだ。

「綺麗だね」

思わず声をかけると、金沢くんが穏やかに笑う。
その表情に目を奪われていたら、金沢くんはゆっくりと口を開いた。

「あのさ、俺は赤木に会えたらいいなと思ってここに来たって言っただろ。それで、さっきの正解だけど……」

そこまで言うと一呼吸置き、静かに告げた。


「赤木のことが好きだからだよ」

「う、そ……」

信じられない気持ちで金沢くんを見た。
私のことを好きってホントに?

いつものようにからかってるんじゃないの?と口から出そうになった。
でも、それは寸でのところで止めた。

だって、金沢くんは真剣な眼差しを私に向けていたから。

「嘘じゃない。卒業式の日、誠人から話を聞いたあと、泣いている赤木を見て胸がざわついたんだ。なんとか笑顔にしたくて冗談交じりに変なことを言って笑わせようとした。どうしてそんなことをしたのか、赤木と別れたあと帰りながらずっと考えていたんだ」

あの時の光景が一気に蘇る。