そして、恋の種が花開く。


あの金沢くんが私に会えたらいいなと思ってくれていたなんて信じられない。
さっきの言葉はずっと忘れないだろうな。
仕事で嫌なことがあっても、あの言葉があれば頑張れる気がする。

まぁ、思い出すたびに顔がニヤけてしまいそうになるかもしれないけど。

「それじゃあ、金沢くんの上司の人に感謝だね。ちょっとでも時間がずれていたらこんな風に出会えなかった訳だし。私もね、金沢くんに会いたかったんだ」

嬉しさのあまり、口が勝手に動く。

「なんだよ、そんなこと言われたら期待しちゃうだろ。どうせ赤木のことだから深く考えてないと思うけど」

期待ってどういうことだろう。
首を傾げていると、大きなため息が聞こえた。

「やっぱりな……。赤木がここまで鈍感だとは思わなかった。あのさ、どうして俺が赤木に会いたかったと思う?」

真っ直ぐに見つめられ、目を逸らすことが出来なかった。

ゴクリと唾をのむ。
追及するような視線を向けてくるので、段々と鼓動が速くなってくる。
そんな状態では、いくら考えても答えは出ない。
それに、エスパーでもないんだから金沢くんが私に会いたかった理由なんて分かる訳がないよ。

鈍感といえば鈍感かもしれないけど。

なかなか答えない私に痺れを切らしたのか、再びため息をついて口を開いた。