「誠人が赤木と付き合っているのは知ってたんだ。あの日……サッカー部の顧問に挨拶しようと思って職員室に行こうとした時に真っ青な顔している誠人に会ったんだ。で、理由を聞けば赤木に振られたって。なんでそんなことになったのか問い詰めたら笠原との関係がバレたって言いやがって、それがマジでムカついたからアイツのことを殴ってやった」
「えっ、嘘っ」
「と言うのは冗談で」
「もう、驚かせないでよ」
思わず金沢くんの腕を軽く小突いた。
ホントに殴ったのかと思ってビックリしちゃったじゃない。
サラリと冗談をぶちこむのはやめて欲しい。
金沢くんはよくこういうことをするんだよね。
それに毎回、引っ掛かってしまう私も私だけど。
「誠人とはそのあとすぐに別れて顧問の所に行ったんだ。それで、挨拶を済ませて帰る途中で渡り廊下で泣いている赤木に遭遇した。一瞬迷ったけど、事情を知っているし、あのまま放っておくことが出来なくて声をかけたんだ」
「そうだったんだね」
金沢くんはあの日に起こったこと全部知っていたんだ。
その上で私のことを元気づけようとしてくれたのかな。って考えるのは都合がよすぎる話だと思うけど。
「あまり上手く話が出来なくてごめんな。もっと気が利いたことが言えたらよかったんだけど」
申し訳なさそうに謝る。



