そして、恋の種が花開く。


だけど、そんな期待もむなしく存在すら忘れていた元カレに会うとかホントついてない。
笠原さんに会わなかっただけ、まだましかもしれないけど。
日頃の行いはよかったと思うんだけどな。

金沢くんは今、なにをしているんだろう。
どんな風になっているのかな?
相変わらずスラッとしたイケメンなのかな。
それとも、さっきの山田くんみたいにぽっちゃりになってるのかも。
自分の中でいろいろ想像が膨らんでいく。

あっ、そう言えば金沢くんは同窓会に来ていたんだろうか。
もし来ていたとしても、会場にあんなにたくさん人がいたら見つけるのは苦労しそうだ。
って、よく考えたら私は佳代に帰ると言って宴会場を出てしまってる。

勢いで行動したことを激しく後悔した。

あーあ、金沢くんに会いたかったな……。

俯いてため息をついていると、不意に男性の声が耳に届いた。

「もしかして、また泣いてんの?」

ん?
また泣いてる?

誰か泣いている人がいるのかな。
顔をあげて周りを見ると、ロビーのソファに座っているのは私以外には数組だけ。
パッと見、泣いている人はいないと思うけど。

今の声はなんだったんだろう。
空耳だったのかな。

不思議に思っていると、一人の男性が近付いてきた。

えっ、誰?
私の元へ歩いてくる男性をじっと見つめる。