そして、恋の種が花開く。


***

あー、懐かしい。
つい思い出し笑いをして緩んだ口許を手で隠した。

卒業式以来、金沢くんとは会っていない。
連絡先も知らないまま、七年が経っていた。

会おうと思えば、どうにか友達を辿っていけば連絡先は分かるかもしれない。
でも、分かったところでなんて連絡すればいいのかが問題で。

卒業後、すぐにコンタクトをとればよかった。
だけど大学に入ったばかりで慌ただしい日々を過ごしていたのでそれが出来なかった。

やっと落ち着いた頃、金沢くんにお礼を言わなくちゃと考えるようになった。
金沢くんのお陰で、私は卒業式を嫌な思い出だけで終わらずに済んだ。
だから会える機会があったら、もう一度ちゃんとお礼を言いたかった。

私と金沢くんの共通の話題と言えば、卒業式の時に撮った写メの話だけだ。
だけど、今さらその話をしても向こうが忘れている可能性の方が高い。
わざわざ写メの話をして「そんな昔のことをまだ覚えてたのか」と引かれても嫌だし。

決め手の口実がなかなか思い付かないまま、あっという間に時が過ぎていた。

同窓会のハガキが届いた時、自分からアクションを起こせない私に神様がくれた最後のチャンスなのかもと思った。
これを逃したら、金沢くんとはもう一生会うことは叶わないかもしれない。
そう思った私は、少しの期待を込めて同窓会に参加した。