そして、恋の種が花開く。


私にとっては汚点にしかならない。
必死に抗議する私に、金沢くんは仕方ないとため息をつく。

「だったらもう一枚撮ろうぜ。そしたら消すよ」

「絶対だからね」

「はいはい。じゃ、次はちゃんと笑えよ~」

そう言ってスマホを構える。

カシャ、とシャッター音が鳴る。
スマホの画面には、ぎこちなく笑う私と満面の笑みで写っている金沢くんの姿があった。
うん、あの間抜け顔よりはましだと思う。

「さっきのはホントに消してよ」

「了解、後で消しとくよ」

金沢くんはスマホをポケットにねじ込んだ。


「それじゃ、またね」

「おう!またどこかで会えたらいいな」

笑顔で別れを告げ、金沢くんの後ろ姿を見送ると私は校舎を見つめた。
いろんなことがあった三年間だった。
最後の最後で彼氏と別れるという予想外の展開があったけど。

まだ胸の痛みは消えないし、気持ちの整理がつかない。
でも、金沢くんと話している時は佐々木くんのことを考えていなかったことに気付く。
泣いていたことに一切触れず、金沢くんが普通に話しかけてくれたお陰だ。

早くこの胸の痛みが癒えるといいな……。

あっ、そういえば金沢くんから一緒に撮った写メをもらってない。
別に不細工な私の顔はどうでもいはいけど、それこそ記念になったのに……。
また会う機会があればもらえばいいか、と考え私は家に向かって一歩踏み出した。