そして、恋の種が花開く。


えっ、パンツ?

顔を覆っていた手を外し、慌ててスカートを直そうとしたら呑気な声が聞こえた。

「うっそ~」

は?嘘って……。
なにがなんだか分からず、顔を上げ目の前の人物を見ると舌を出して笑っている金沢蓮の姿があった。

金沢くんはサッカー部で性格もよくてみんなの人気者。
一年の時に同じクラスになり、いつも明るくて彼の周りは笑いが絶えなかった。
クラスの中心的人物で、体育祭や学園祭などでは常に先頭に立って盛り上げていた。
しかも誠実な人柄で先生からの信頼も集めていた。
目鼻立ちがハッキリとしていて右目の下のホクロが印象的なイケメンだ。

文系と理系に分かれてからはクラスも違ったから話した記憶はほとんどないんだけど。
そんな金沢くんがどうしてここに?

「あ、泣き止んだ」

呆然としている私の顔を覗き込んで微笑んでいる。
そういえば、さっきまで泣いていたのに金沢くんが変なことを言うので涙も止まっていた。

「立てれる?」

私に手を差し伸べてきて、自然な流れで私はそれを掴んでいた。

「あっ、うん……ありがと」

立ち上がり、スカートの汚れを払った。

「いえいえ。それより赤木は帰んないの?そろそろ先生が見回りに来ると思うけど」

先生の見回りという言葉にハッとする。

佐々木くんと帰ろうとしていたはずなのに予想外の出来事が起こり、それどころではなくなったから……。