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幹事の挨拶が済むと、もっさんの乾杯の音頭で同窓会が始まった。

同じテーブルに座ったのは、二年の時に同じクラスになった持田くんと永沢さん、話したことはないけど顔見知り程度の村瀬さん、佐々木くんと私の五人。
七番と書かれた席がひとつ空いていた。

運ばれてきた料理を食べながら同じテーブルの人と話をする。
最初はぎこちないながらも隣に座った村瀬さんと徐々に距離を縮めていった。
その話の中で職場が近いということが分かり、お互いに妙な親近感を覚えた。

「今度、ランチでも行きたいね。そうだ、赤木さんの連絡先って聞いてもいい?」

「うん、いいよ」

村瀬さんのリードで会話が進み、私たちは連絡先を交換した。
同窓会ってこういう新たな出会いというか繋がりが出来るのがいいなと思う。


同窓会が始まって一時間が経った頃、幹事の佳代がマイクを握った。

「えー、だいぶお腹も満たされた頃だと思いますが皆さんどうですかー?そろそろ他のテーブルの人とも交流を深めましょう!ということでデザートはバイキング形式にしています。自由に席を立って話に花を咲かせてくださーい」

その言葉を聞いた人たちが一斉に「イエーイ」なんて声を上げる。
もう、高校生のようなノリだ。

同級生がこんなに集まっていたら気持ちもその時に戻ったような感覚がするんだろう。
さすがに私はそのノリについていけなかったけど。