幼馴染の彼~あの日の約束~

 カードーキーでマンションのドアを開けると

「さぁ、どうぞ」

 明るく促され、じゃあ、お邪魔しますと緊張気味に中へと入る。


「わぁぁぁぁ!!広い、きれい!すごい!」

 黒を基調としたシックでクールなリビング。とても広くて、窓側は大きなガラス張りになってて街の夜景が輝いている。
 高級ホテルのスイートルームを彷彿させる部屋だった。
 庶民の私が行ったことあるわけではないが・・・

 やっぱり黒を基調とした広いキッチン。
 1人で使うには大きい、キッチンテーブルには、豪華な料理が並んでいた。

「わぁ!美味しそう・・・」


 魚のムニエルに、サラダ。美味しそうなパン。伏せられたワイングラスとシャンパングラス。
 さながら、ホテルのディナーのようだった。

「座って。料理、美味しそうに見えてよかったよ。朝から築地行って魚とかみてきたんだ」

 智弥が冷蔵庫からワインを取り出しながら、話す。
 え、朝から築地に行った?
 もしかして、目の前に広がる料理って・・・

「智弥のお手製!?」


「口に合えばいいけどな」


 智弥も席に着きながら、ワインを注いでくれる。
 一人暮らしが長いので、自然と料理も覚えて自炊するようになったと。