幼馴染の彼~あの日の約束~

 そうだった!すっかり忘れてたっけ。
 もう、この年くらいになると、おめでたいのかおめでたくないのか微妙な感じだし。

 それでも、毎年、真子たちや実家でお祝いしてくれるから、その時に思い出す。

「そっかぁ・・・予定あるのかぁ・・・うーん」

 珍しく、真子が困ったような、歯切れの悪い言い方をしてくる。

「何?もしかしてサプライズでお店予約してくれたとか?」


「そうじゃないけど。頼まれててさぁ、予定聞いといてって」


「誰に?」


「片桐くん」


「え、片桐くん?」


 そうそうと言って真子が頷いた。
 なぜ、そこで片桐くんが急に出てくるのかわからなくて、きょとんとしていると。

「この前、会ってさ。そろそろ怜美のバースデーで、みんなに声かけないとって話になって」


「うん」


「そしたら片桐くんも一緒にお祝いしたいってことになって」


「え、いつもの会社のメンバーで内々でやってるだけなのに?」


「そのことも伝えたんだけど、どうせなら賑やかにやろうってことになって。あいつ、昔からそういうの好きっていうのもあるんだけど」