「わっ…」

私が見たのは、賑やかな町だった。

店がずらりとならび、人がわんさかと

あふれかえっている。

「なんだ。驚くような物はなにもないはずだが」

閻魔様も窓を覗きこんだ。

「こんなに景色初めて見ただけ」

そういいながら私はひたすら外を眺めた。

きれいに飾られた、花屋。

色とりどりのおかし。

何もかもが私には珍しいものばかりだった。

色々な店に目を奪われていると

「…止めろ」

と急に前に乗ってる人へ伝えた。

「はっ」

すると、その人は馬を止めた。