私は馬車に乗った。

椅子はとてもふかふかでとても乗り心地が良かった。

隣が閻魔様だということ以外は。

お互いになにもしゃべらなかった。

が、急に、

「おい」

「なに」

隣から声が聞こえてきた。

「名はなんという」

「サクヤ」

「そうか」

そして、また沈黙。

私は景色を見ようと思い、カーテンを開けた。