あの日、桜が咲き誇っていた春の日。 暖かな春風にまだピカピカの制服がふわっとなびく。 私は桜の木の下で目を閉じて耳をすませていた。 木々の花や葉が揺れる音。 小鳥の小さな小さな鳴き声。 遠くから聞こえる楽しそうな笑い声。 …誰かがジャリっと砂を踏む音。 「何しとんの?お前。」 それが、君との出会いでした。