『あっ…ちゃ…お…の…と…わ…る?』
この声はたっくんだよね。分かるよ…でもね声が出せないの…!夢…だから。
『あっちゃん。俺だよ?拓だよ?分かる?谷川拓!』
え…。た、た、谷川拓? 
谷川拓君といえば…この間おんぶで連れてってくれた…子しか思いつかない。
けど、同姓同名かもだもんね!うんうん!勘違いだ!
『田中さんって可愛いよな!な?拓!』
『おう。俺の幼なじみそっくりだ。確か名前は…田中あこ…だったな。』
っ!そ、その名前!私、だよね。ま、またまた同姓同名なんだよ!
あれ?そーいえば拓君ってずっとここにいるんだよね?なら引っ越しちゃったとか言うかも。
『俺はそいつのことあっちゃんって呼んでたんだけど、俺そいつのこと好きでさ。も、もちろん女としてね。あっちゃんは引っ越しちゃったんだよな。』
や、やっぱりそれ私の事だよね!隣に居た美雪ちゃんと名雪ちゃんも、え!っていう顔をしてる。
懐かしいな。この時知らなかったたっくんの思い。
私はほんとは病室にいるはずだけど逃げ出したのだ。
親にもみこにも嘘をついて。
だから今頃私は元の場所にいるはずだ。