その人こそ、天輝の現在の義母である東堂 麗華(とうどう れいか)だ。
麗華も結婚は2回目で、連れ子同士の再婚だった。
天輝に、8つ年上の義兄ができた。
その一年後、天輝と半分だけ血の繋がった弟の秀信が生まれた。
まだ大切な人を失ったショックから立ち直る前に、天輝には新しい家族ができたのだ。
「あぁ、そうそう。天輝さん、今日も玄関に荷物が置いてあるから、頼むわね」
朝食の目玉焼きにナイフを入れながら、今度は目も合わせずに麗華は言った。
「分かりました」
荷物とは、義兄の着替えだ。
義兄であり、麗華の連れ子である長男の隼人(はやと


