あの空を越えて逢いにいく。

「!」

「あ、ごめんなさい怖がらないで」



驚き体を固める私に
黒猫は窓から飛び降りるとゆっくり近付いてくる。




「な‥なにか用ですか?」

「ううん。杏南に少し会いたくて」




え?私に?


黒猫は私を怖がらせないようするためか
少し離れた場所に座る。






「杏南って想像してた通り可愛いね」


「え?突然そんな‥滅相もない」


「あははそういう所も変わってない」


「え?変わってない?」




私が驚いた顔をすると
黒猫もあっ、というように前足で口元を押さえる。


なに?

なにを隠しているの?




「あの‥‥お亡くなりになる前のあなたと私は、どこかで知り合いだったんですか?」


「えっと今のは忘れてください」


 


黒猫はサラッとそう言うと話題を変える。




「壱護はいつも怒ってばかりで全然会話にならないから、杏南とこんな風に落ち着いて話せるのは嬉しいな」


「‥‥私、落ち着いてるように見えますか?」




猫が話すことといい、
突然の訪問といい、
意味深な発言と言い

心の中はずっとパニックなんですけど‥‥



「それもそうだったね」


黒猫は、ははっと笑う。