あの空を越えて逢いにいく。

その後‥‥‥


黒猫はなにも言わないまま部屋から出て行き

逢坂くんの機嫌が悪いまま1日が終わった。








「ふぅー」


夜。

私はお風呂上がりに広いリビングの窓をあけ
涼みながら今日の出来事を思い出す。


逢坂くんと一瞬でも
甘い雰囲気になってしまった。


あれは一体なんだったんだろう‥‥



「///」


涼んでるはずが、逆に体が熱くなってしまい
私は別のことを考える。




今日は父が居ないから気持ちが楽だ。


父は週の半分くらいしか家に居ないし
母は私が幼い時に交通事故で他界した。



父方の祖父母は元々いないし
母方の祖父母とは絶縁状態らしく
顔も見たことがない。



我が家は定期的に
ハウスキーパーさんがやってきたりするけれど


基本的にこのガランと広い家の中に
私は独りで育ってきた。


話し相手はTVと本だけ。

大きくても空っぽの家。


もう慣れたけど、
幼い頃はすごく寂しかったな‥‥。




そういえば逢坂くんの家からも
似たような雰囲気を感じた。 











「杏南」


その時、開けっ放しにしていた窓から
黒猫が入ってくる。