あの空を越えて逢いにいく。

ゲームの勝敗は圧倒的だった。









「杏南‥‥お前なんでこんな強ぇの?」


逢坂くんは心底驚いた声を出す。



「あの‥‥このゲームソフトうちの父の会社が開発したソフトなんで」

「はぁ?」

「ひゃぁっ!おっ大きい声出さないでください!///」




逢坂くんは目を大きくする。



「なに、お前社長令嬢?」

「あ、はい、まぁ多分一応‥‥世間的には」

「ま‥まじか」



父が一代で設立した会社だから
そんな大きな会社ではないけれど‥‥


逢坂くんは少し怪訝そうな顔をする。



「にしても‥‥想像以上に悔しいな」

「ゲームですか?」

「うん。俺今まで負けたことねーのに」

「あの、大丈夫ですよ?逢坂くんも十分強かったですから自信もってください」

「‥‥その余裕さもムカつく」




逢坂くんは眉をひそめて、
後ろから私を睨む。


私に負けたのそんなに悔しいんだ‥‥

少し可愛いな。



私はさっきの逢坂くんの
ものマネをして言ってみる。




「ふふ、ゲームも慣れですよ」

「嬉しそうな顔すんな」
 



逢坂くんは負けた仕返しに
私のわき腹に手を回すとこしょばしてくる。
 



「きゃあぁ!ちょっ‥‥あは///」

「次はこっちのゲームでリベンジするし」

「あの‥‥でもそれも父の‥」

「はぁ?!」

「きゃぁあぁ///やめ‥‥」



こしょばしてくる逢坂くんの腕から
なんとか逃れようと体をねじると


バランスを崩して
そのままグラッと倒れそうになる。



「きゃ!」

「あぶね!」




逢坂くんは私の頭を守るよう
とっさに手を伸ばす。


ドサッ




後ろ向きに倒れたものの、逢坂くんの手のひらがクッションになり、頭は床に打たなかった。





その代わり

逢坂くんが私に覆い被さるように
馬乗りになっていた。