夏休みも中盤にさしかかる。






私と逢坂くんは相変わらず
会える日は毎日会っていた。


一緒に市営のスポーツジムに行ったり
総合体育館でスポーツをしたり。




逢坂くん曰わく

私には筋肉が足りないらしく、
腹筋鍛えて声が大きくなれば
自動的に無視されることもなくなるって‥‥。




そんな単純にうまくいくかなぁ?
と思いつつ、


逢坂くんに出会って私は
確実に変わりつつある。



見た目も、きっと内面も‥‥。


だから逢坂くんを信じてがんばるんだ。












この日は
市営ジムも体育館も月に一度の休館日だった。



青い空には大きな白い入道雲と蝉の声。
強い日射しは、日影にいても蒸し暑い。






「あ‥‥暑いですね‥‥」

「確かに‥‥キツいな」




私も逢坂くんも待ち合わせ場所で
会ってまだ5分も経ってないのに
すでに汗だくだ。


今年は記録的猛暑らしい。





「俺んちでも行く?」

「え?逢坂くんのお家ですか?」

「お前んちみたくデカくねーけど(笑)」





笑う逢坂くんだけど
いきなりのコトに私は緊張してしまう。


だってだって逢坂くんのお家って‥‥!

本当に良いのかな?!






「そうと決まれば暑いからサッサと乗って」

「はっはい!」





こうして、
心の準備も出来ないまま


私は逢坂くんの自転車の後ろに乗り
逢坂くんの家に行くことになった。