3日間の期末テストが終わった。





返ってきた俺のテスト結果は
どれもすべて、合格点だった。







「合格点?ぜんぶ赤点ギリギリだよね」

「黙れクソ猫」





とにかく今日から夏休みが始まる。

俺は杏南と待ち合わせの公園に向かった。






公園につくと
大きな木の木陰で杏南が待っていた。


メンズサイズの黒いTシャツに
紺のジーンズ、白スニーカー。




動きやすい服装で来いとは言ったが‥‥
色気のかけらもねぇな。




農作業っぽい麦わら帽子と
首からは白タオル。


前髪以外の長い髪は
うしろで無造作に束ねられてる。






「逢坂くんおは‥おはようございます」

「‥‥はよ。てかそんな服しか持ってねーの?」

「え?は、はい‥‥変ですか?」

「想像以上にヒドいな」

「う‥‥すみません」





杏南の顔が赤くなると
分厚いメガネもまた曇り出す。



白く曇ったメガネに、こんなだっさい恰好‥‥



「ぷ」


相変わらず笑ける。






「あの‥ところで今日はなぜこんなところに?」

「俺がお前を改造してやろうと思って」

「えぇ!?」

「まずお前、筋肉なさ過ぎな」






杏南に触れた時、折れそうだと思った。




「そんなだから声もちっせーんだよ」

「はい、すみません」

「陰気くっせーし。もっと元気よくしろ」

「‥‥はい」

「だから声ちっせーって」





杏南のほっぺたをグリッとつまむと
白いほっぺたが赤くなる。




「い、痛ひゃいですー(泣)」