ピロリン♪



スマホが鳴り、
逢坂くんは寝そべったままスマホをいじる。







私はやることも無く
少し気まずい気持ちで波を眺めた。



なんだか不思議だ。


こんなにたくさん、
学校の誰かと話したのは初めて。


しかもその相手が逢坂くんだとは。









「わり、ちょっと電話するわ」




逢坂くんは、
わざわざ私に断りを入れてから電話をする。


意外と優しくて律儀なんだなぁ。











なんて思っていたのも束の間‥‥






「もしもし俺。お前さーいい加減しつけーよ?」




ドキッ!

急に逢坂くんの声が低くなる。



逢坂くんを見るとその横顔は
超超不機嫌になっている。




「は?会わねーしどこにも行かないって何回言わすの?お前、ウザいからもう誘ってくんな」





逢坂くんはそう言い捨てると
スマホをカバンの方へ投げ捨てた。