俺の質問に

顔をうつむけていた杏南は少し顔を上げて
分厚いメガネ越しに俺を見る。





「何者って‥‥ど、どういう意味ですか?」


「意味もクソもそのままだよ。お前が昨日、俺にしたこと覚えてるだろ?」





俺の言葉になにかを思い出したのか
杏南は急に顔を真っ赤にさせる。





「わわ私は何もしてません!!したのは、逢坂くんじゃないですか!」





杏南はそこまで言うと、
真っ赤な顔を両手で隠した。





「は?俺なんかした?」


「しました!私のこといきなり、だだだ‥だきし‥」




杏南はそれ以上どうしても言えないのか
また深く俯いてメガネをいじり出した。







「あぁ、抱きしめたこと怒ってんの?」


「きゃぁあぁ!そんなハハハハッキリ言わないでください!!」