キーンコーンカーン







放課後になった。

 

なんか今日もちょっと、体がダルい。
ヤバくなる前にさっさと帰るか。




俺はカバンをつかむと
早々に教室を出ようとする。


そんな俺を、桃汰が引き留めた。




「ちょい壱護!帰っちゃダメだって~!」


「あ?なんでだよ」


「昨日、センセーに言われてたじゃん!放課後は特別授業だって」






あ~‥‥そう言えば。


確かに昨日
そんなコトを言われてた気がする。


このままじゃ今度こそ退学だとかなんだとか。







「昨日は帰っちゃったし今日こそは残った方がイイんじゃね?」


「めんどくせーよ。別に退学でもいいし」


「バカ言うな!俺、壱護と一緒に二年に進級したいよ?」







桃汰はチワワみてーに、瞳をウルウルさせる。




う・・・・
俺は桃汰の純粋さが時々、苦手だ。



どこまで本気で言ってんのかわかんねーし。




「まぁ‥‥わかったよ、とりあえず居残るし」




俺の返答に、
桃汰はパッと笑顔になった。




「じゃあ勉強、がんばれよー!」




桃汰はそう言って帰って行った。






俺はイスにドカッと座る。

はあぁー、めんどくせぇ‥‥