「ね~ちょっと白雪さん!これ何回目のミス?!」






体育の時間

私のミスで、バレーボールのパスが途切れてしまい、クラスメイトに睨まれた。







「す、すみませ‥」
「でさぁ、あのセンセーまじむかつくんだけど~!キャハハ」






謝ろうとしたけれど

どうやら私の声は小さかったのか
彼女たちに届かなかったみたい。



彼女たちはもう別の話題で笑い合いながら
パス練習をしていた。






こんな感じで
私の声は人に届かないことが多い。



私はうつむき長い髪で顔を隠しながら
分厚いメガネを触る。












あ、私のミスで転がったボールが
開いた扉から体育館の外へ転がってく。








パス練習の途中だけど、
拾いに行かなきゃ。





「・・・・・」




私はパス練習中のクラスメイトの方を見て
勇気を出して一声かけることにした。





「あ、あのっ、ボール拾ってき」
「キャハハハハ!だっさー!まじウケる」


「あの、拾ってきます」
「それでさー!その時にアイツがさー」







だ‥ダメだ

やっぱり声が届かない。





まぁ、すぐ戻ればいっか。




私は体育館の外へ向かった。