「ま、部の掟なんか気にして、幸せ逃すのバカみたいだろ? 俺もできる限り協力はしてやるから、頑張れよ」


そして、先輩の優し──


「そこでだ。美羽ちゃんの彼氏にも協力してもらいてーことあんだ」

「何ですか?」

「合コン、誘った」

「え」


優しさではなく、下心。

そうか。

初めからそれありきのフォローだったのか。

さすが䋝田先輩と、私は変に感心してしまう。


「こっちの数足んねーんだ。インハイ後なんだけど、まあ打ち上げ合コンだよ」

「そんな合コン名初めて聞きましたよ」

「俺が命名。てことで、よろしくなー」


機嫌良く手を振って、彼はお手洗いへと姿を消したのだった。