──開会式の後。
各校の選手はそれぞれまだ館内に残っている。
バスケの名門校の選手と写真を撮ったり、会場の雰囲気を見たりと様々で、うちも同じように観客席に残り、軽く偵察を行なっていた。
他校の選手や監督同士が会話する姿も見られる中、私の肩を結城が叩く。
「オツオツ!」
人懐こい笑顔の彼に、私も自然と笑みを浮かべた。
「オツオツ。結城、体調は?」
「バッチリっしょ。明日はスタメンでも問題なし」
「期待してるね」
スタメンの人選からすると、初戦から全力で押すのかなと予想していると、結城がキョロキョロと周囲を見渡す。
「てか、チー君はどこよ」
「二ノ宮はあそこ」
指差さした先にいるのは、他校の女子選手たち写真を一緒に撮ろうとお願いされて応えている二ノ宮。
そのすぐ近くでは、䋝田先輩も同じように写真攻撃を受けている。
ただし、䋝田先輩はついでにナンパもしているようだ。