せめて笑顔でいなければ。

覚悟だ。

覚悟を持って裏口に向かおう。


「頑張るね」


諸々と、と心の中で続けると、二ノ宮は一瞬目を丸くしてからクスクスと笑った。

その時だ。


「おい、もう見回りしてる!」


私と柑菜が部屋に戻るタイミングを調べに出てくれていた男子が部屋に戻るなり告げる。

しかも、どうやらもうすぐこの部屋にも先生がくるらしく、私と柑菜は一度隠れてやり過ごすことになった。

とりあえず柑菜は押入れに入ることに。

私も入れれば良かったんだけどら残念ながら一人分のスペースしかない。

どうしようかと悩んでいる間に扉の向こうから先生の声がして。

やばいと思った時、二ノ宮に手を引かれた。


「桃原、こっち入って」


二ノ宮が布団を持ち上げてくれていて、他の男子も寝たふりの為に各自布団の中に入る。

私も焦りつつ、急いで潜り込み隠れると。


「ちょっ、にのみ」

「シッ」


二ノ宮もそのまま一緒にくるまってきた。

しかも、抱き締められてしまい、慌てて下をむく。