もう……いいよね? 誰ともなし、心の中で確認して。 私は中庭で1人、嗚咽が漏らした。 花火の音で「好き」と零した声は消える。 好きだと、恋い。 頑張ってと、願い。 どうか、夢が叶うようにと祈る。 金木犀の花降る中庭に溢れた私の想いは、打ち上がる花火が全部、全部、隠して。 秘密にしてくれた。