「大丈夫。続けられるよ、バスケ」


大丈夫だよ。

もう一度伝えれば、二ノ宮は自信なさげな声色で「うん」と頷いた。

そして、きつい言い方してごめんと、続けて謝ってくれて。

私も偉そうなこと言ってごめんねと謝罪した。


恋と夢。

今の私たちにはもう、どちらもなんて許されない。

どちらかを選ぶことは、どちらかを捨てることに繋がるのだ。

そして、私はすでに選んだ。

それを二ノ宮は知らないけれど、この選択がマイナスになるとは思わない。

別れは痛みを伴うとしても、未来は閉ざされることはないだろう。

雨のあとには青空が広がり、虹の橋がかかるように、苦しい想いの先には、笑顔でいられる未来がやってくると信じている。

私が、その橋をかけるサポートができるなら。


ねえ、二ノ宮。

別れを選んだ私を許さないでもいい。

それでも、かまわない。

例え、襲い来る痛みに涙が零れたとしても。

私は、二ノ宮の夢を繋ぐことを選んだことを悔やんだりしない。