無事に倉庫から出て、私と二ノ宮は䋝田先輩を誘ってファストフード店に来ていた。

助けてもらったお礼をする為に。


「䋝田先輩、マジで助かりました」

「ありがとうございます」


長方形のテーブル席に並んで座る私たちがお礼を口にすると、向かいのソファーでハンバーガーを手にした䋝田先輩が淡々と言う。


「あとは、お前ら次第だからな」


そうだ。

これから私と二ノ宮は、問題を起こさないように付き合っていかなければならない。

改めて自覚したと同時、不安が心の中に広がっていく。

じわじわと支配を始めるそれに、私は俯いた。


今までは大丈夫だった。

けれど、一条部長の言う通り、だからといって今後も大丈夫だという保証はない。

喧嘩だってするかもしれないし、その時、みんなに与える影響もゼロだとは言い切れない。

恋人同士の喧嘩は、周りの空気をぎこちなく乱すものなのは、友人カップルを見て知っている。