目の前の二ノ宮は、開いた扉の方を見て顔を強張らせる。 だけど、その腕は私を放ることはなく、逆にしっかりと抱き締めた。 まるで、守るように。 私たちの恋を引き裂くことは許さないと、そう言わんばかりに。 彼の腕に強く抱かれたまま、ゆっくりと振り向いた先にいたのは。 「……ぶ、ちょう……」 深い溜め息を吐いて、厳しい目を向けた 一条部長だった。