僕の能力は生まれつきだった。
願いを叶える力。それが僕の能力だ。

はじめはすごいと誉め称えられた。
皆が回りにいる生活。嬉しくて、楽しくて。
でも、すぐに変わってしまった。

僕が願うものすべてが現実になる。
それは人にとっては都合の悪い時もある。
悪魔と虐げられ、すぐに僕は独りになった。
母さんも父さんも僕を見てくれなくなった。
寂しくて、淋しくて、僕は独りで泣いた。

やがて僕は森の奥で一人で暮らすことになった。母さんも父さんも僕のことがもう嫌いになってしまったんだと幼い頭で理解した。
もう涙も出なかった。

幸い、能力のお陰で生活には不自由しなかった。でも、独りは寂しかった。