キィーッガタン

「買ってきたぞー!玲音350円くれ〜映月はおごりな」

「あ、ありがと!」
笑顔で春樹からパンを受け取る。さっきの悩みは吹っ切れたように

「春果!ほれお前のパン。チョコフランスとカレーパン」

「あれ?一緒じゃん。春果と春樹」
玲音がいう

「たまたまだよ!さぁ食うべ食うべ!」
春樹が焦ったように言う

「いただきます」

食べていると玲音がこう言う
「なぁお前らって好きな奴とかいんの?」

ブフォー
春樹が盛大にジュースを吹く
「ば、ばっきゃろ!なんだよ急に!」

「ただ聞いただけじゃん?あ、図星?」

「ばばばばばばーか!」

春樹は好きな人がいるんだ…

「そーゆーレオンはどうなんだよ!」

「いるよ。」

もやっ
なんだろうこのもやっとした感情は…

「誰!?」
はっ…
声に出してしまった…

「春果は?それ言ってくれたらね」

私…?私は…
「私はそーゆー感情わかんない…友達の好きと何が違うのか…」

みんなが沈黙している
その沈黙を破ったのは映月だった

「まぁそうよね。でも、きっと違う感情よ」

「そうだよ。まぁでも春樹が1番その感情を知るのにぴったりだけどな」

「はぁ!?んな馬鹿な!」

みんなは恋という感情を知っている。
私だけ知らない…もう残されるのは…やだよ…

「私に恋を教えて。春樹」

みんなが驚いたような目で見る
やっぱりダメだったか。きっと笑われる…

「おう!いいぜ。」