合コンの席で紺野君を気に入ってた杏梨ちゃんは、営業部は独身が多いから特にしっかりアピールをして来てね、と無理難題を振ってくる。

喜怒哀楽の出難い私に難しい課題を言うなぁ…と、嫌になりながら出向いて行った。



「夏の親睦会の要綱です。ご参加お待ちしております」


部長のデスクに持って行くと、私の顔を見るなり詰まらなそうな表情をされる。
親睦会〜?と興味なさそうに言われ、そんな言い方しなくても…と暗くなった。


私が明るく、「ご参加お待ちしてまーす!」と言えるようなキャラなら良かったのだが、週末からの浮き立たない気分のせいもあり、声だけでなく表情も冴えない。

だからと言って、上役の貴方がまでが私につられなくてもいいのに…という気分に陥った。



「……あれ?横山じゃん」


ハツラツとした声が後ろから聞こえてきて振り返った。
金曜日の夜にいじけて泣いてた同期の彼が、意気揚々と近付いて来る。


「そうか。お前達同期だったな」


二人が並んで立つと思い出したらしい。
根明な紺野君と無表情な私がコンビを組んでたことを。