好きな人が現れても……

何故二人が会うのか。
今頃は何処で何をしてるのか。

最初から私は問題外だったのか。
課長には相川さんのようにシングルの苦しみを知ってる人が合うのだろうか。


あの二人は付き合ってるの?
もしも、そうだとしたらいつから……


矢継ぎ早に生まれてくる疑問を打ち消すように首を振る。
答えも見つけ出せずにノロノロと着替え、社外へと出た。


ひょっとしたら外で紺野君が私を待ち構えてるんじゃないかと思ってたけど、そんな都合のいいことがある筈がない。


私は彼を拒否したのだ。
課長にフラれる日を待ってると言ってくれた人の言葉を不要だと言ってしまった。


流石にそれでもまた…なんてあり得ない。
私が紺野君ならそんなに何度も待つ訳がないーー。


小さく溜め息を吐き出して、駅に向かい始めて直ぐに足が止まった。
コンビニの前に突っ立ってる人を見つけ、ドキッと胸が鳴った。


(紺野君……)


マズいと思い、背中を向け直した。
すると思いもしなかった人が、こっちへ来ようとしてる。



(課長……)


ドキンと更に鼓動が高まり、背後にいる彼のことも気になりだす。