段を踏み外しそうになりながら何とか一階に辿り着き、ロビーを確かめたけどいない。
もうビルの外に出たのかと焦り、制服のままで飛び出した。
終業時刻間際のオフィス街は人並みも疎らだ。
その中で彼を見つけるのは容易だった。
見慣れた背中を追いかけ、課長…と走り寄ろうとした。
だけど、その足は止まってしまう。
彼が手を上げて寄って行った人がいて、私はその光景を目にして立ち竦んだ。
肩までのセミロングの人は私の知ってる女性だった。
ついこの間、私に頑張れと言ってくれたその人は、あの時と同じように娘さんと一緒に立ってる。
課長はその子にも膝を折って挨拶をして、三人で仲良く歩き始めた。
何が起こってるのか分からず、茫然とその姿を見送ってしまう。
課長と彼女の姿が似合い過ぎていて、自分には入り込む余地が無さそうに見えた。
ドクンドクン…とイヤな心臓の音が聞こえてきて、三人から逃げ出すようにオフィスビルの中に走り込んだ。
課長の野暮用というのは相川さん親子に会うことだったのか。
もうビルの外に出たのかと焦り、制服のままで飛び出した。
終業時刻間際のオフィス街は人並みも疎らだ。
その中で彼を見つけるのは容易だった。
見慣れた背中を追いかけ、課長…と走り寄ろうとした。
だけど、その足は止まってしまう。
彼が手を上げて寄って行った人がいて、私はその光景を目にして立ち竦んだ。
肩までのセミロングの人は私の知ってる女性だった。
ついこの間、私に頑張れと言ってくれたその人は、あの時と同じように娘さんと一緒に立ってる。
課長はその子にも膝を折って挨拶をして、三人で仲良く歩き始めた。
何が起こってるのか分からず、茫然とその姿を見送ってしまう。
課長と彼女の姿が似合い過ぎていて、自分には入り込む余地が無さそうに見えた。
ドクンドクン…とイヤな心臓の音が聞こえてきて、三人から逃げ出すようにオフィスビルの中に走り込んだ。
課長の野暮用というのは相川さん親子に会うことだったのか。

