貴方と私の子供。

かけがえのない命と未来をこの世に残せることが出来て嬉しいです。

例えば先生の言う通りに自分の未来が短くなっても、私の命は引き継がれていくんだもの。

これ以上の幸せなんてありません。だから、それにとても感謝をしています。


この手紙を読む頃、子供は何歳になってるのかな。

どんな子に育って、どんな声で笑うんだろう。


可愛いですか?私の子は。

貴方に幸せを与えてくれてる?


泣いてばかりで困らせてない?

ワガママ放題で手を焼いてませんか?


産むだけ産んで、何も出来ないでる私を許してね。

でも私、この世に宝を残したかった。

貴方の未来を彩る宝。

この子がそんな存在であることをどうか願っています。』



書きながらお腹に手やってさする千恵が思い浮かんだ。
幸せそうだけど切なそうな横顔が浮かび、ぎゅっと唇を噛み締めた。



『貴方は今でも私のことを愛してますか?

本当はとっくに誰かを好きになってるのに、無理して私に義理を立ててるんじゃないでしょうね?

もしもそうなら即刻やめて。後戻りもできない命に縛られる必要なんてないの。