翌朝、真央の手痛い仕打ちで目覚めた。
寝相の悪い娘は、寝返り様に俺の顔にパンチを食らわせてきたのだ。
いってぇ…と呟きながら上半身を起こせば、真央はあどけない顔で熟睡してる。
そう言えばこの間は床に蹴り落とされ、挙げ句の上、腹にダイブされたのだ。
あの時も相当痛い思いをしたが、今朝もまたか…と呆れる。
「…誰に似たんだ。この寝相の悪さは」
少なくとも自分じゃないぞと思いながらダブルベッドの中央に寝そべる娘の腹にタオルケットを掛けてやる。
少し早いが起きるか…と思いつつ、ジィッとその寝顔に見入った。
真央の目元は俺に似ている。
口元は私ね…と、亡くなった千恵がよく話していた。
『きゅっと口角が上がり気味なところがそっくり』
ほらココ…と指差し、ふわっと優しい笑顔を作っていた。
母親になったばかりの頃、まだ病魔に完全に支配される前の記憶だ。
だけど、産んでから三ヶ月もしないうちに体調は一気に悪化した。
出産のせいで遅れた抗がん剤治療も役に立たず、逆に体力を奪っていく結果となった。
寝相の悪い娘は、寝返り様に俺の顔にパンチを食らわせてきたのだ。
いってぇ…と呟きながら上半身を起こせば、真央はあどけない顔で熟睡してる。
そう言えばこの間は床に蹴り落とされ、挙げ句の上、腹にダイブされたのだ。
あの時も相当痛い思いをしたが、今朝もまたか…と呆れる。
「…誰に似たんだ。この寝相の悪さは」
少なくとも自分じゃないぞと思いながらダブルベッドの中央に寝そべる娘の腹にタオルケットを掛けてやる。
少し早いが起きるか…と思いつつ、ジィッとその寝顔に見入った。
真央の目元は俺に似ている。
口元は私ね…と、亡くなった千恵がよく話していた。
『きゅっと口角が上がり気味なところがそっくり』
ほらココ…と指差し、ふわっと優しい笑顔を作っていた。
母親になったばかりの頃、まだ病魔に完全に支配される前の記憶だ。
だけど、産んでから三ヶ月もしないうちに体調は一気に悪化した。
出産のせいで遅れた抗がん剤治療も役に立たず、逆に体力を奪っていく結果となった。

