私は喜怒哀楽が出難いんじゃない。
出すと抑えられなくて、だから両親が無理にでも抑え込むことを覚えさせたのだ。


ホントはとてもつもない我儘で、頑固で融通の利かない人間なんだ。
良く言えば真っ直ぐで、悪く言うとそうだった。


そんな自分を課長に見せるなんて。
選りに選って一番悪いところ見せてしまうなんて。



「う〜〜〜っ…」


唸るように溢れ出た声が切なそうに響く。
そのまま暫く動けず、階段の隅で泣き続けた。