ずっと言わないでおこうと思ってたのに。
こんな形で告白するなんてバカだ。



バタバタと足音を立てながら階段を下りだし、途中の階で力が抜けた。

その場にしゃがみ込んで息を荒くしたまま座り込む。

昨日に引き続き自己嫌悪に陥り、滑って出ていった言葉を恨んだ。


だけど、言ったことは全部私の本心だ。
言わないでおこうと心の奥にしまい込んでたものが、押し開けられるように流れ出ただけ。


引き金は昨日のキスだったかもしれない。
課長への気持ちが溢れ出ていきそうなのを無理矢理抑え付けようとしてたから、それを話せと紺野君に迫られた。


キスをされて気づいた。
話すべき相手は彼ではなかったのだと。


気持ちを寄せてるのは彼ではなく課長で、だから、話すのなら紺野君ではなく、課長だと思った。



だけど、告白の仕方を間違えた。

もっと大人らしく落ち着いて話すべきだった。

あんな喧嘩腰で言うなんて。

あれでは子供の言い訳にしか聞こえないーー。



ぐっ…と泣き声を堪えて顔を覆った。
恥ずかしさと情けなさに包まれて、涙は止め処なく溢れてくる。