同じチームに入れられ、いろんな店回りを一緒にした。

紺野君は私とは違って社交的で明るくて、誰とでも打ち解けて直ぐに話が出来る。

喜怒哀楽が出易いのがたまに傷で、深層心理は顔に出すな…と先輩や上司によく言われていた。


『その反対に横山はもう少し表情を増やせよ』


増やせと言われても、自分は人前ではなるべく微笑んでるつもりなんだ。
だけど顔が引きつってきて、頬の肉が疲れ易い。

これでも毎日鏡の前で慣れないスマイルを練習してるんですけどね…とも言えず、大人しく、はい…と返事をしておいた。


一日中歩き回ってクタクタの時は、紺野君と二人で食事して部屋に帰った。


紺野君はお酒が入るとお喋りが加速するみたいで、それにつられてこっちも話し易かったのを覚えてる。


『先輩はああ言ってたけど、横山はそれなりに笑うし怒るよな』


そう言って慰めてくれる彼をいい同期だと思って認めてた。

仲がいいね…と周りの同期生からも冷やかされたことがあるけど、紺野君には大学時代から付き合ってる彼女もいたし、恋愛関係とかにはならず、普通の友達として一年間を過ごした。