ボソボソと話すと、課長は少しだけ黙ってた。
やっぱり行ってはいけないのか…と思い、シュン…と肩を落とした。
「……俺はその方が有難いんだけどいいのか?無理をしなくてもいいよ」
声を潜めて言われ、いえ…と首を横に振る。
「ムリなんて何も」
顔を上げると課長は少し微笑んだ。
その微かな笑みにすら胸の音がキュンと鳴る。
「じゃあ宜しく。…これ、自宅の住所と電話番号」
ポケットから差し出された紙は、私のデスクの上に置かれた。
周りに社員も残ってるから課長はそれを察してくれたようだ。
名刺サイズの紙に書かれたメモは私にとって幸せへの手紙のように見えた。並んだ文字に胸が凄くときめいた。
「来る前に電話してくれると助かる」
無駄なことは言わずにそれだけ言って上座に戻る。
私は椅子に座り直して課長の置いていったメモを手にし、誰にも見えないよう、こっそりとベストのポケットにしまい込んだ。
そこだけが熱く感じられてドキドキする。
課長から拒否されなくて良かった…と心の底から安堵していた。
やっぱり行ってはいけないのか…と思い、シュン…と肩を落とした。
「……俺はその方が有難いんだけどいいのか?無理をしなくてもいいよ」
声を潜めて言われ、いえ…と首を横に振る。
「ムリなんて何も」
顔を上げると課長は少し微笑んだ。
その微かな笑みにすら胸の音がキュンと鳴る。
「じゃあ宜しく。…これ、自宅の住所と電話番号」
ポケットから差し出された紙は、私のデスクの上に置かれた。
周りに社員も残ってるから課長はそれを察してくれたようだ。
名刺サイズの紙に書かれたメモは私にとって幸せへの手紙のように見えた。並んだ文字に胸が凄くときめいた。
「来る前に電話してくれると助かる」
無駄なことは言わずにそれだけ言って上座に戻る。
私は椅子に座り直して課長の置いていったメモを手にし、誰にも見えないよう、こっそりとベストのポケットにしまい込んだ。
そこだけが熱く感じられてドキドキする。
課長から拒否されなくて良かった…と心の底から安堵していた。

