あーあ、お気の毒に。

…なんて思ってないけどさ。



ハル先生に気を取られている間に、さっきから眠そうだった神田くんは、おやすみモードに突入しようと、

机の上でクロスさせた少し筋張った腕に自分を頭を埋めている。





「神田くん」





呼びかけてみたけど、返事もないし、視線だってこっちに向かない。


今日はこっち向いて寝ないのかなぁ。

神田くんの寝顔って、見てるだけで1万年分の疲れが吹き飛びそうなくらい尊いから、ぜひぜひ拝みたいんだけどなぁ。





「じゃあー、野々宮」





でも私、神田くんのその、筋張った腕を見てるだけでも幸せです。うふふ。





「おーい、野々宮」





ん?なんだかみんなからの視線が私に向いてるような…気がする。






「野々宮」


「はい?」


「お前、さっき先生に失礼な態度を取った挙句、今も俺のこと無視したから体育祭実行委員決定」


「………は!?!?」